メキシコ原産のコスモスが日本にもたらされたのは、
明治12(1879)年のことと伝えられています。
そこには、こんな素敵な恋の物語がありました・・・
明治9年、現在の東京美術大学で西洋美術を教えるため、
政府のお雇い外国人として、イタリア人彫刻家・
ヴィンチェンツオ・ラグーザが来日しました。
その折に訪れた「花園」で運命的な出会いをしたのが、
日本画を学んでいた娘、16歳の清原玉でした。
ラグーザは、デッサンを指導するとともに、
彼女の心をつかむため、日本にはまだなかった
コスモスの花をプレゼントしたのでした。
他にも、三色スミレ、マーガレット、ポピーなど、
西洋の珍しい花を贈ったということです。
恋したふ君を思うてちよ鳥の
鳴くこころねを誰れかしらめや 玉
玉が19歳のとき、2人は我が国初の国際結婚をし、
その後、イタリアへと旅立ちました。
ラグーザ・玉は,日本人初の洋画家として活躍し、
数々の絵画展で受賞し、
イタリア画壇の名花と謳われました。
夫の死をきっかけに51年ぶりにイタリアより帰国し、
国民的ヒロインとして大歓迎を受けました。
すでに日本人に秋桜と呼ばれ愛され続けていた
コスモスを見て、彼女は何を思ったのでしょうか・・・
10月9(日)~10(祝・月)は、
杜の庭園リフレッシュパーク豊浦の❛コスモスまつり❜です。
100万本のコスモス景観の中で、コスモスにまつわる
お玉さんの恋物語に思いを馳せてみてください。
庭園長:国司 淑子(くにし としこ)