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庭園長のガーデニングエトセトラ⑵ 生命と土の46億年ストーリー

2025.4.22

植物はえらい! すごくえらい!! ものすごくえらい!!!
地球の自然環境を支え、整え、すべての生命を
養っているのは、植物なのです。

植物は、光合成を行い、太陽エネルギー(光)と
水や土から有機物をつくりだし、すべての動物に
生きていくためのエネルギーを提供しています。

また、温暖化の要因である二酸化炭素を吸収し、
酸素を放出するのも、植物の役割。
つまり、生態系の土台となっているのが植物なのです。

植物が、私たちのかたわらに存在することよって、
私たちはおおいにリラックスし、感動し、癒される・・・
さらに、花やみどりを見ることで、私たちは、
ストレスや緊張を軽減することができます。

私たちの本能が、植物を希求しているのでしょう。

地球の歴史は、約46億年・・・
地球に生物が出現してからは、40億年・・・
陸に進出してからは、約5億年・・・

現在の苔のような最初の植物が初めて上陸を果たし、
それからシダ類が出現し、3憶8千年前には最初の樹木が出現。
そして、こうした生物の遺体と、それらが分解されて生成された
化学物質が蓄積されて、土壌が形成されていったのです。
結果、陸の栄養が海に流れ、海の生物が育まれていきました。

生命はめぐりめぐっています。
その根幹をなすのが植物。
1億5千年前には、花を咲かせる被子植物が登場。
白亜紀中期の、恐竜が闊歩していた時代のことです。

現生人類であるホモ・サピエンスの登場が約30万年前。
約4万年前までには、ホモ・サピエンスは日本に到着
していたと推定されています。

ところで、古代日本ではどうだったのでしょうか。
日本書紀には、神々の母であるイザナミノミコトは、
火の神カグツチノミコトを産んだ際に灼かれて亡くなった後、
花の窟に葬られ、人々は季節の花を供え祀ってきたとあります。

漁労から、植物栽培を行い、家畜を飼うようになって、
自ら食料を生産するようになって1万2千年・・・
日本の農業やガーデニングのルーツもこのころのことでしょう。

縄文時代にはすでに稲作がおこなわれており、
弥生時代には、農耕が安定的に行われていたようです。

人間もまた死後は、土に還ってゆきます・・・
そのいのちの終焉に、美しく芳しい草花や薬草をたむける・・・
それは、私たちのDNAレベルでの記憶がなせる土へも邂逅・・・

そんなことを考えると、ますます植物がいとおしく感じられます。

庭園長 国司 淑子(くにし としこ)