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庭園長のガーデニング・エトセトラ⑶ みどりがさきで、ひとがあとで。

2025.4.23

最初の植物は、いつごろ、どこで誕生したのでしょうか。
いちばん古い化石は、南アフリカのトランスバールからの
出土で、34億年前のものだとか。大きさは、0.1ミリ程度。
顕微鏡でしか見えないような小さな細胞ひとつからできていました。
それでもちゃんと光合成をすることができたというから驚きです。

それからさまざまな進化を経て、約4億7千万年前には、
コケのような最初の植物が、海から上陸。
約3億8千万年前には、アーキオプテリスという最初の樹木が出現。
約1億4千万年前の中生代白亜紀初頭には、シダ類や裸子植物、
種子植物などが繁茂していました。
その1千万年後には、被子植物が出現しています。

花を持った植物が地上のどこで、いつ最初に出現したか、
その解答については、現在も得られていませんが、
白亜紀(1億3500万年〜6500万年前)のこと
だと考えられています。恐竜も花を見たのでしょうね。

恐竜が現れたのは約2億年前。人類が誕生したのは約4百万年前。
植物の歴史がいかに古いものかがわかります。
また、植物の出現があるからこそ、恐竜も私たちも、
多様な生命が地球に誕生することができたのです。
今後もそれは変わりません。

みどりがさきで、ひとがあとで、
みどりがなければ、ひとは生きていけない・・・
そんなあたりまえの地球の常識を、
私たち人間は無視しようとしています。

ガーデニングとは、心を耕すこと、
地球を耕すこと。みどりの種を蒔くこと。
未来のいのちをはぐくむこと。
みどりを愛するガーデナーが、ひとりでも多く
増えることを望みます。

庭園長 国司 淑子(くにし としこ)