山野草とは、野山など自然のなかに自生する草花のこと。
季節ごとに咲き継ぐ草花には自然な美しさがあり、
清楚で可憐な花姿が、日本人の心をとらえてきました。
わびさびを大切にする茶人たちの美意識にもかない、
季節の移ろいを愛でる茶花としても用いられてきました。
その本質的な美しさには、普遍的な魅力があります。
「花入れに入れた花としての自然」を目指して、
野の花を、ふだんの暮らしにも取り入れてみませんか。
杜の庭園リフレで長く続くフェロー(仲間)活動のひとつに、
「誰故草を守り育てる会」(金子 久男会長)があります。
ビジターセンター内の「杜のアトリエ」では、金子会長の
丹精込めた「ダイモンジソウ」の盆栽仕立てを展示。
不均衡な花弁のかたちが「大」の字に見えることから
その名があり、ユキノシタ科ユキノシタ属の多年草です。
若葉は摘んで和え物や天婦羅などにすることもできます。
まさに「花も団子も」ですね。
花色は、本来白色ですが、変異の幅が広く、
薄紅や深紫などもあります。
日陰がちで湿気のある岩場を好むことから、
「岩蕗」(いわふき)の別名もあります。
11月3日 8日 12日の誕生花で、
花言葉は「恋の訪れ」「幻」「自由」「好意」など。
むくみ、頻尿、便秘などへの薬用効果もあるとか。
野原に大の字に寝転び空を眺めるように花を咲かせる姿は、
天高く秋晴れの季節にふさわしいと思います。
杜の庭園リフレでこの可憐で大胆な花に出逢ってください。
小さい秋なら、杜の庭園リフレにいっぱいあります。
みーつけてね。
庭園長 国司 淑子(くにし としこ)。